お知らせ詳細

2025-09-22

鼻からのインフルエンザワクチンについて

 経鼻弱毒生インフルエンザワクチンは、お子さんが接種に協力的であれば、痛みが少なく、1回の接種で半年以上効果が期待できるなどの利点があります。しかし米国では、2003年に認可を受けていますが、通常の皮下接種による不活化ワクチンと置き換わってはいません。副反応として、鼻汁、鼻づまりは比較的多くみられます。発熱、咽頭痛もみられます。その評価については諸説ある中で、昨年、日本でも認可を取得しました。日本では2歳以上19歳未満が対象となっています。当院でも採用しましたが、輸入数も限られる中で、受験生など恩恵があると考えられる方などを対象に、通常の不活化ワクチンの補完的な位置付けで使用します。
 以下に、その特徴を列記します。

1) 経鼻弱毒生インフルエンザワクチンは、通常の不活化インフルエンザワクチンと比較して、明確な優位性は確認されていません

2) 喘息の患者さんには、通常の不活化インフルエンザワクチンをお勧めします

3) 経鼻弱毒生インフルエンザワクチンは、感染の可能性があるため、妊産婦にはすすめません。また授乳婦、免疫不全患者が周りにいる場合は、不活化インフルエンザワクチンをすすめます

4) ゼラチンアレルギーのあるかた、無脾症候群、免疫不全患者には接種できません

5) アスピリンを内服している人(川崎病など)は接種できません(ライ症候群の可能性のため)

6) 人工内耳の手術を受けている人、脳内とのシャント手術を受けている人は、接種できません。

7) 副腎皮質ホルモン(ステロイド)、免疫抑制剤を使用されている人は、接種できません。

※投与直後のくしゃみや鼻漏れ(薬液が垂れる感じ)は正常な反応です。


よいこの小児科さとう
佐藤 勇