保護者の方に伝えたいこと

新型コロナの影響で、新潟市の実施する集団検診など、母子保健事業の多くがストップしています。不安を感じている方もたくさんいると思われましたので、日本小児保健協会副会長の平岩先生が作成されたメッセージを、平岩先生の了解を頂き、新潟市から5月に対象のお子さんのご家族に郵送していただきました。

ほかの保護者の方にも参考になると思われますので、当院のホームページでも公開したいと思います。なお、1歳半・3歳健診は、新潟市と話し合い、6月中旬より実施方法を工夫して、各地区で開始予定です。


保護者の方に伝えたいこと

  • 新型コロナウイルスの影響を受けて集団での乳幼児健診が見合わせになっています。
    もちろん人ごみの中にお子さんを連れていくことは不安ですよね。
  • でも最低限の健康チェックはしたいし・・という場合の注意点を、1 歳6か月児健診、3 歳児健診について少しお話します。
  • このような時期ではありますが、予防接種はスケジュールに沿って受けましょう。昔に比べて種類は増えていますが、同時にできるものもありますし、回数が必要なものもあります。家庭でできるチェックのほかに医療機関でないとできないチェック(*)をお願いしてみてもよいかもしれませね。

【1歳6か月児健診】

  • ざっくりポイントは3つです。歩行、ことば、対人関係です。そのほかに食事や皮膚の悩みもありますね。
  • 歩行についてです。この時期には独り歩きができるようになることが多いですが、まだ転びやすいですし、不安定なこともあります。つかまり立ちや伝い歩きができない、立たせたときにつま先しか床につかないときには(*)かかりつけ医に相談してみてください。
  • 言葉は、個人差がとても大きいですが、自分で言うことのできる意味のある単語がいくつあるかを調べることが多いです。ぱぱ、まま、わんわん、ぶーぶーなど3 つ以上出ていることが多いです。しかしもっと大切なことは言葉の理解で、「これすてて」のような簡単な指示が理解できるかどうかもチェックしてみてください。言うことのできる単語が少なくても、理解ができていれば一安心です。
  • 対人関係です。指さしをするか、動作や発音のまねをするか、積み木ひろってといって指示に従ってくれるかどうか。このあたりが基本的なポイントです。積み木を出車に見立てて遊ぶこともあります。
  • 目については、両目がしっかり合うかどうか、テレビなどに近くまで寄らないと見えていないのか、耳については後ろからささやき声で名前を呼んで反応するかなどがチェックポイントになります。
  • 食事は遊び食べや多少の偏食はこの時期にはふつうのことです。皮膚についても乾燥やただれについては4か月と同じです。
  • この時期になるとできることも増えてきますし、自己主張も出てきますが、いらいらしないで楽しく遊ぶこと、テレビやDVDに育児の代わりをさせないことも大切です。もちろんできていたこと、話していたことができなくなるような場合にはかかりつけ医に相談してみてください。基本は楽しく!です。

【3歳児健診】

  • コミュニケーション、社会性、運動についてのチェックが中心ですが、実際の健診では視聴覚健診などもあります。
  • コミュニケーションは言葉によるものとそれ以外のものに分かれます。自分の年齢、名前、好きな食べ物などを「聞かれたときに」答えることができるようになってきます。
    「おやつちょうだい」のように2つ以上の単語を使って話すこともできるようになってきます。
    助詞の使い間違いはよくありますし、「サ」行の発音がはっきりしないこともあります。
  • 社会性は家族以外の人と言葉を交わしたり、一緒に遊んだりできるかどうかがポイントです。おままごとの役割り分担ができたらよいですね。
  • 運動については歩くのはもちろん、走る、階段を一段ずつ上るなどもできるようになってきますし、クレヨンでなぐり書きをしたり、棒を使ってたたいたりするなどもできるようになってきます。できていたことができなくなったときには(*)受診してください。
  • 3 歳児はいろいろな主張をしますし動き回ります。保護者の言うことを聞いてくれることもありますが、いやになるくらい聞いてくれないこともあります。いらいらすることも増えますが、食事、睡眠を中心に生活リズムを整えることを試してみてください。昼間にいらいらしても、夜、寝顔を見るとほっとする、そんな感じだとうれしいですね。

令和2年4月
編纂(一部改変)平岩幹男先生(日本小児保健協会副会長、Rabbit Developmental Research)


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